設計力が決め手!狭小地・変形地でも住み心地のいい家がつくれます! 2017年 08月 25日
一般的に、建物が建てやすいのは、正方形や長方形の整形地と言われています。狭小地や、三角形や旗竿地などの変形敷地は、建物を建てられる範囲が小さくなる、採光や通風が確保しにくい、といった理由で敬遠されがち。
でも、土地の持つポテンシャルを最大限に活用する設計次第で、住み心地のいい家をつくることは可能です。「住みたい場所」で見つけた土地が狭小地や変形敷地だからといって、あきらめてしまうのはもったいない!今回は、様々な敷地形状を活かした間取り例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
狭小地は、傾斜天井や天窓、中庭などを取り入れ開放的に。
敷地面積が30坪に満たない土地は、一般的に「狭小地」と呼ばれており、地価の高い都市部でも、土地価格を抑えることができます。平面の広さを確保できない分、立体的に間取りを考えるのがポイント。たとえば2階リビングに傾斜天井や天窓を設ける、リビングとつながる中庭を設ける、といった工夫で、狭さを感じさせない、明るく開放感のある暮らしが実現します。
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敷地面積:85.02㎡(25.71坪)
延床面積:104.12㎡(31.49坪)
約25坪の敷地に建物をL字型に配置し、ガレージを確保しました。個室と水回りはコンパクトにまとめ、2階リビングとバルコニーを合わせて27畳の大空間を作り出した、メリハリの効いた間取りです。
2階リビングと傾斜天井で縦の空間を有効活用。リビングとバルコニーをつないで視線の抜けをつくることで、実際の広さ以上の開放感が得られます。
天窓は、室内が暗くなりがちな住宅密集地の狭小地におすすめ。真上からの光は、周辺の建物などに遮られることなく室内に届きます。
緑を眺めると、豊かな気持ちになりますよね。中庭をつくることで、各部屋に光が届きやすくなります。敷地いっぱいに建物を建てるより、光や緑を楽しむ「ゆとりの空間」をつくる方が、のびやかな暮らしを楽しめますよ!
変形敷地なら「建物は四角」という思い込みをなくしてみよう。
三角形や台形などの変形敷地に四角い建物を配置すると、建物が小さくなり、敷地に無駄が出てしまいます。変形敷地の場合は、建物も三角形やL字型、階段型など、敷地形状に合わせた建物の形にすることで、より広く、「その土地ならでは」の住まいがつくれます。
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敷地面積:173.71㎡(52.54坪)
延床面積:115.64㎡(34.98坪)
三角形の敷地に対し、「くの字型」の形状にすることで、建物の奥行き感と広がり、非日常の演出を意図した独創的な間取りです。2階の和室は「離れ」のような感覚で使える空間。客間として、「籠れる」部屋として、多彩な使い方ができますね。
「くの字」の空間に合わせて、キッチンとつながる斜めのダイニングテーブルを造作。視線に変化が生まれる、個性的な空間ですね!回遊動線を確保して配膳や片付け、掃除などのしやすさにも配慮がなされています。
くの字に曲がったリビングと和室は、バルコニーでつながっています。窓の向きのちょっとした違いによって、つながり感がありながら、上手に視線がはずれてプライバシーが保たれています。
旗竿地の「竿」部分を活かして奥行きのある家づくりを。
建築基準法では、建物の敷地が道路に2m以上接することが決められています。奥にある敷地から道路まで、細長い通路がのびている形状が旗の形に似ていることから「旗竿地」と呼ばれ、都市部の分譲地などで多く見られます。出入りがしづらい、駐車がしにくいなどのデメリットはありますが、人気エリアでも土地価格が抑えられるため、検討する価値は十分にありますよ!
図のような形の敷地が「旗竿地」です。玄関から道路までの距離があるため、音が伝わりにくく静か、お子様の飛び出しなどがなく安心、といった利点もあります。隣家に囲まれている場合は、狭小地のように傾斜天井や天窓、中庭などで採光を確保すると良いでしょう。
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敷地面積:229.69㎡(69.48坪)
延床面積:105.16㎡(31.81坪)
「竿」部分の通路は、2台分の駐車スペースに。建物を北側に寄せて庭をつくり、採光を確保しました。北側の玄関は吹き抜けからの明るい光が差し込みます。奥まった敷地の特性で、プライベート感たっぷりの家になりました。
「旗竿地」の場合、道路から外観が見えない分、通路部分のエクステリアにこだわって個性を演出しましょう。敷石で表情をつけたり、シンボルツリーやガーデニングで奥行き感を出したりするのもいいですね!防犯面から、死角が生まれないような配慮も必要です。
いかがでしたか?条件の厳しい土地であるほど、柔軟な発想力が求められます。狭小地や変形敷地でも嫌がらず、自信を持って取り組んでくれる会社は、設計力が高いと言えるのではないでしょうか。
条件の厳しい土地でも、かっこいい外観や明るく開放的な空間づくりをあきらめず、設計士さんとよく相談して「住みたい場所」に「納得のいく家」を建ててくださいね!