住まいの強さ・間取りの自由度・費用に関わる!知っておきたい「工法」の違い 2021年 09月 21日
家づくりを考え始めたとき、間取りやインテリアなど、室内をどうするかということばかりに目が行っていませんか?もちろんそれも大切ですが、「どんな工法で家を建てるか」を考えることも重要なポイント。工法の違いによって耐震性や耐久性、間取の自由度、費用などが変わってきます。今回は、住宅の工法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめました。ぜひ参考にして下さいね!
住宅の素材・構造体・作り方によって異なる5つの工法
工法とは、住宅の構造体をどんな素材で、どのように建てるかをあらわしています。日本では、木造・鉄・コンクリートといった素材と構造体によって4つの工法に分類できます。さらに、大手住宅メーカーが取り入れている建て方(プレハブ工法)を合わせると5種類に。家づくりの基礎知識として、その違いを知っておきましょう。
日本の住宅は、70%以上がいわゆる木造の在来工法(木造軸組工法)で建てられています。次に多いのがツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)です。大手住宅メーカーが取り入れているプレハブ工法(木質系・その他)は、合わせても12%ほど。新築一戸建ては、多くの地域密着型の工務店や建築会社によって建てられているのです。素材としては、やはり「木の家」が圧倒的多数ですね。対してアパートやマンション、ビルなどの共同住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が半分以上を占めています。
続いて、5つの工法の特徴とメリット・デメリットについて解説していきます!
1)木造軸組工法(在来工法)
日本の伝統的な建築方法で、最も多くの住宅が在来工法で建てられています。柱と梁、筋交いといった、縦・横・斜めの軸によって構造体をつくります。
【メリット】間取りの自由度が高く、狭小地や変形敷地でも建築しやすい工法です。他の工法に比べて費用が抑えられることは大きなメリットです。
【デメリット】大工さんの技術によって品質にバラツキが出ることも。鉄やコンクリートに比べると、柱のない大空間や全面開口などの設計にはあまりむきません。木材は水分に弱いため、しっかりした防水対策が必要です。
2)木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
北米で最もポピュラーな工法です。主に使用される木材のサイズが2インチ×4インチであることから。ツーバイフォー工法と呼ばれています。規格化された部材でパネルをつくり、床・壁・天井の「面」で建物を支えるのが特徴です。
【メリット】しっかりした箱型構造のため、地震の揺れが分散されて構造体を守れます。「面」を組み合わせることにより、高い気密性・断熱性が得られ、快適な室内環境がつくれます。規格化された合理的な工法なので工期が比較的短く、品質が均一に保てます。
【デメリット】壁によって耐震性が確保されているため、リフォーム時の間取りの変更や大きな開口などに制限があります。
3)鉄骨造(重量鉄骨)
建物の骨組みに鉄骨を用いる工法です。基本的な構造は木造軸組工法と同じ。使用する鉄骨の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨造、6mm未満の場合は軽量鉄骨造といいます。軽量鉄骨の方が費用は安く抑えられます。
【メリット】木よりも強度が高いため、柱がない大空間や大開口の間取りに適しています。耐震性にも優れています。
【デメリット】鉄は熱伝導率が高く、外気の影響を受けやすくなります。構造体に結露が起こると錆が発生し耐久性が落ちるので防錆対策が重要。鉄は火災時の高熱にも弱く、耐火材などで覆うなどの対策も必要です。
4)鉄筋コンクリート造(RC造)
マンションやビルなどに多く用いられる建築方法です。鉄筋を組んで型枠にコンクリートを流し込んで構造体をつくります。
【メリット】様々な形状に対応できるため、建築家によるデザインに凝った家によく使われます。高層ビルも建てられる工法のため、耐久性や耐震性、防火性などに優れており、建物の寿命が長いのが特徴です。
【デメリット】ほかの工法に比べて工事費が高く、工期が長くなります。
5)プレハブ工法
大手住宅メーカーが取り入れている工法です。プレハブとは、「prefabrication」の略。これまで上げた4つの工法は、ほとんどの作業を建築現場で行いますが、プレハブ工法は、骨組みだけでなく断熱材や下地材といった建築部材の一部または全てを工場で作り、現場で組み立てる建築方法です。「ユニット工法」はプレハブ工法の一種。工場内で箱型のユニットをつくり、断熱材や下地材、設備、建具まで取り付け、家づくりのほとんどを工場内で行います。
【メリット】工場内で生産管理ができるため、品質にばらつきが出にくいのが特徴です。住宅性能も高い水準に保たれています。大手企業の場合、アフターサービスや保証面での安心感もあります。(各メーカーによって異なります)
【デメリット】規格が設けられている工場生産のため、間取りや素材の自由度に制限があります。在来工法に比べて費用が高額になります。
いかがでしたか?工法によって様々な違いがありますね。家づくりでは、性能や間取りの自由度、費用のバランスがポイントになります。ご自身がこだわりたいことに優先順位をつけ、ベストバランスを見つけて下さいね!
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