住宅ローンの金利は今後どうなる?利用のタイミングを見極めましょう 2022年 10月 28日

■住宅ローン金利はどのように決まる?
住宅ローンの金利は、海外の経済事情や金融情勢などの影響を受けます。 2020年~2021年に関しては、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済を立て直すため、海外の主要国でも金利を引き下げる等の金融緩和政策がとられてきました。しかし、ワクチンの普及等の影響もあり、経済が動き出したことに加え、原油やウクライナ戦況などの世界情勢により、先進国では金利を上げ始めている国も見受けられます。 実際、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなど諸外国は金利を上げはじめており、日本も世界の潮流に合わせて金利を正常化する可能性も考えられます。住宅ローンの金利は3種類
住宅ローンの金利にはどんな種類があるのでしょうか。下表のように、3つのタイプがあります。
- 全期間固定型…金利が変わらないタイプ
- 固定金利選択型…スタート時は固定金利で途中から変動金利の折衷タイプ
- 変動金利型…一定期間ごとに金利の見直しがあり、金利が変動するタイプ
「固定金利型」と「変動金利型」どちらが選ばれているのか
住宅金融支援機構「民間住宅ローン利用者の実態調査」(2019年6月発表)によると、上記3つの金利タイプのうち、2018年10月から2019年3月までに民間の住宅ローンを契約したなかでは変動金利型が最も多く、次いで全期間固定金利型、固定金利期間選択型の順となっています。
今後の住宅ローン金利推移は?
では、今後の住宅ローン金利はどのように推移していくのでしょうか。■社会動向
欧米各国の金利が急上昇しています。これは冒頭でお伝えした世界情勢による急激な物価上昇の結果、各国の中央銀行がインフレを抑えるために政策金利を上げたのが理由です。この物価の要員を考えると、それを抑えるための政策金利の上昇はしばらく続くのではと予想されています。 日本国内でも、総務省が発表した2022年8月の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が、去年の同じ月を2.8%上回りました。上昇率が政府・日銀が目標としてきた2%を超えるのは5か月連続です。原材料価格の高騰に加えて円安による輸入コストの増加などで物価の上昇が続いており、今後も電気やガス、食料品などの値上げが予定されている状況です。■現在の住宅ローン金利の状況は?「変動金利は変動なし。固定金利は先月より下落」(※2022年9月時点)
上記状況を受けて、2022年9月1日現在の金利動向としては、変動金利に大きな変動はありませんでしたが、固定金利には動きが見られました。 住宅金融支援機構が発表している「民間金融機関の住宅ローン金利推移」によると、主要都市銀行の金利(中央値)は、変動型で2.475%、固定期間選択型(3年)で3.050%、固定期間選択型(10年)で3.500%となっています。
■住宅ローン金利の今後
現状はデフレ脱却のために政府・日銀が金融緩和を継続し、その結果超低金利が現在も定着しています。そのため低金利があと少しは続くという予想が多く、これから住宅ローンを利用しようという方にもしばらくはお得な状況となりそうです。 ただし前述のとおり、大手銀行が10年固定の住宅ローンの金利を引き上げています。金利を長期間変えることができない10年固定の住宅ローンの金利を上げたいという事実から、今後の金利は上昇していくと考えられています。 長く低金利が続いているため、それが当たり前のような感覚になりがちですが、過去の金利水準や海外の金利水準に目を向ければ、今がとってもお得な状況であることが分かりますね。
◎ご相談窓口…フリーダイヤル0120-62-5588(9:00~17:00)