変動金利の止まらない利上げ!返済額はどう変わる? 2024年 10月 30日
2024年3月19日にマイナス金利政策の解除が発表され、
金融機関が次々と利上げを行っています。
これから家づくりを計画している方は「金利が上がると返済額がどのくらい上がるんだろう?」と
心配だと思います。住宅ローンの返済額は、利上げによってどのくらい変わるのか。
今回のコラムで詳しく説明していきます^^
▶大手銀行が10月1日から変動金利を0.15%引き上げ
マイナス金利政策の解除から約半年。メガバンク3行が、
変動金利を決める指標の『短期プライムレート』の金利を0.15%引き上げました。
これによりメガバンクを含む多くの金融機関でも、
住宅ローンの金利が0.15%前後上昇しています。
中には基準金利から金利を下げる“引き下げ金利の幅”を拡大することで、
実質的に適用金利を据え置きにした金融機関もありました。
しかしこの先は、どの金融機関でも金利が徐々に上昇していく可能性があります。
▶金利の決まり方と返済額への影響
金利の引き上げは小数点以下ベースなので、「実際にどのくらい影響するんだろう?」と
疑問に思う方も多いはずです。
ここでは金利の決まり方とともに、返済額への影響について見ていきましょう。
・変動金利の決まり方
まず、私たちが返済する金利として認識しているのは、基準金利ではありません。
基準金利から一定の金利を引き下げたもの(引き下げ幅)が、
適用金利として借入額に対してかかってきます。
たとえば基準金利が2.465%、引き下げ幅が2%ならば、適用金利は0.465%です。
引き下げ幅は完済まで一定のため、基準金利が上昇したとしても
そこから必ず2%は金利が引き下げられます。
基準金利を決める方法は4つほどありますが、最も多いのが『短期プライムレート(短プラ)』との連動です。
金融機関が法人に対して行う1年未満の短期融資の金利に、1%を足したものが基準金利になります。
短プラは各銀行が独自で決めますが、金融政策の影響を大きく受けるため、
日銀が利上げを発表するとそれに連動して短プラも上がるしくみです。
また法人への融資を行っておらず短プラがない多くのネット銀行では、
リテールビジネスの資金調達コストや営業コスト、
収益から基準金利を決める方法を取り入れています。
・返済額への影響
基準金利の上昇は、住宅ローンの返済額にどのくらい影響するのでしょうか。
月々の返済額と総返済額の差を見比べてみましょう。
【共通条件】
•借入額:5,000万円
•返済期間:35年
•返済方法:元利均等返済
•ボーナス返済なし
月々の返済額は数千円〜数万円の差ですが、総返済額には百万円単位で差が出ています。
とくに0.5%と1%では総返済額に470万円もの差があり、
返済負担が大きく増えていることがわかります。
このようにたった数%の金利差でも、返済額が大きく変わってしまうのです。
▶住宅ローン返済中に金利が上昇したときの影響
住宅ローンは、融資を受けたら終わりではありません。
変動金利を選択した以上、完済までは金利の動向をしっかりと追う必要があります。
もし返済中に金利が上昇したら、返済額にどのような影響が出るかしっかりと頭に入れておきましょう。
〇金利の見直しは半年に1度
期間内は金利が一定の固定金利とは違って、変動金利は半年に1度(4月1日と10月1日)金利が見直されます。
つまり今回メガバンクが発表した0.15%の引き上げも、10月1日の見直し分とされ、同年12月の約定返済日の翌日から見直し後の金利が適用されます。
〇ルールが適用される金融機関は返済額が急に上がる心配はない
金利が上昇すると「返済額が増えて家計が苦しくなるのでは?」と心配になるかもしれませんが、
『5年ルール』と『125%ルール』が適用される金融機関であれば、
すぐに返済額が増える心配はありません。
•5年ルール:金利が上昇しても5年間は月々の返済額が変わらない
•125%ルール:上昇から5年後も今の返済額に対して125%の金利までしか上がらない
たとえば月々の返済額が8万円のとき、金利が上昇しても適用から5年間は8万円の返済額は変わらず、
6年目も8万円の125%である10万円までしか返済額は増えません。
しかし返済額は変わらずとも、返済額の内訳では利息が増えて元金部分が減っているため、
元金の減りが遅くなってしまいます。
その結果元金に対して払いきれなかった利息が、『未払利息』として残る可能性があるのです。
未払利息は月々の返済額に加算するか、一括返済で完済までに必ず清算しなくてはなりません。
「ルールがあるから大丈夫」と誤解している方も多いのですが、
返済額が変わらないからといって、免除されるわけではない点に注意が必要です。
▶まとめ
マイナス金利政策は解除されましたが、今ならまだ低金利での借り入れが可能なので、
家づくりを検討している方は、早めに行動したほうが良いでしょう。
ただ、コラム内でもお伝えしたように、住宅ローンは融資を受けたら終わりではありません。
長きにわたって返済していくものなので、詳細なシミュレーションが重要です。
野村工務店では、お客さまのマネープランやライフプランなどを含めた資金計画の提案を行っております。
家づくりをお考えの方は、まずはご相談ください(^^♪