空間の印象を決める!壁材のいろいろ。 2017年 02月 28日
壁は、床と並んで室内に占める面積が広く、空間のイメージを大きく左右します。壁材の選び方は、色やデザインの違いだけではなく、素材や機能もポイントに。どの部屋に何を使うか?どう組み合わせるか?など、壁材の種類を知っておくことで、インテリアの表現の幅が広がりますよ!そこで今回は、家づくりで知っておきたい壁材と、それぞれの特長について解説します!
◆ 色や柄が豊富で、コスパの高い「壁紙(クロス)」 ◆
壁紙(クロス)は、内壁の下地材に接着剤などで張り付けるシート状の壁材です。日本の住まいで最もポピュラーなのが、塩化ビニールを主な原料とするビニールクロス。多くの住宅メーカーや建売住宅などで標準仕様となっています。他にも、和紙などを使った紙クロス、レーヨンや麻などで創られた織物クロスがあります。調湿機能や消臭機能などを備えた製品も増えてきました。とにかく種類が豊富なので、部屋ごとにガラリとイメージを変えることもできますよ!
壁紙(クロス)は大量生産が可能で施工性にすぐれており、コストが抑えられるため一般の住宅に広く普及しています。プリントやエンボス加工などがしやすく、塗り壁風、タイル風、大理石風など、パッと見ただけではビニールクロスとわからないような高級感のあるものも。ただし、材料や接着剤に含まれる化学物質がアレルギーなどの原因になる可能性があるため、化学物質の使用量が少ない製品を選びましょう。
シンプルな壁紙(クロス)だけでは、室内が単調になりがち。部屋のコンセプトに合う色や柄の壁紙を上手に取り入れることで、個性的なインテリアを演出できます(写真は漆喰とシックな和モダン壁紙のコラボです)。壁紙選びは、小さなサンプルでは全体のイメージがつかみにくいので注意が必要。「柄の大きさや色が思っていたのと違う」なんてことにならないよう、モデルハウスや大きなサンプルなどで確認することをおすすめします!
◆ 高級感があり、機能性にもすぐれた「塗り壁」 ◆
高級感があり、機能性にもすぐれた「塗り壁」漆喰や珪藻土などの自然素材を用いて、左官職人さんの手作業で仕上げるのが塗り壁です。漆喰の主原料は消石灰、珪藻土は藻類(プランクトン)の死骸が水底に沈殿し粘土状になったもの。塗り壁は、ビニールクロスに比べるとコストはかかりますが、塗り壁ならではの風合いが醸し出す高級感が魅力です。調湿性や消臭性にすぐれており、化学物質がほとんど使われていないものが多い※ため、住む人にやさしい壁材でもあります。
※一般に、珪藻土は合成樹脂や接着剤で固めて壁材にします。漆喰の「つなぎ」には、一般に海藻を原料とするフノリやワラといった自然素材を使いますが、合成樹脂や接着剤が含まれている製品もあります。自然素材にこだわりたい方は、成分もしっかりチェックしてください!
塗りムラを抑えてフラットに仕上げた漆喰の壁。部屋全体を真っ白に塗り上げても、漆喰が持つ自然素材の質感が、光の加減で様々な表情を見せてくれます。写真で使用されているのは北イタリア産の漆喰「マルモ」。日本の漆喰は、生石灰に少量の水を加える「乾式消化」による消石灰が用いられているためマットな仕上がりになりますが、イタリア製の漆喰は、生石灰に多量の水を作用させる「湿式消化」でできたクリーム状の消石灰が用いられています。湿式消石灰(生石灰クリーム)は、乾式消石灰に比べて表面が硬く、ツヤの出やすい性質を持っています。そのため、写真のように表面に独特の光沢が生まれるそうです!
あえて「コテムラ」をつけて壁面に表情をつくれることも、塗り壁の特長のひとつ。左官職人さんの技術で、様々な模様が描けます。
漆喰の色は「白」だけだと思っていませんか?実は、漆喰に天然の顔料を混ぜることで、カラーバリエーションを楽しむこともできるんです!色のついた漆喰は、深みのある基本色の白とは少し違った表情が生まれ、家族の個性も演出できますね。
◆ 木の温もりに包まれて暮らせる「板張り」 ◆
天然木の板を壁の一部に貼るだけで、室内がぐっとナチュラルで温かな雰囲気になります。床材と樹木の種類を合わせれば空間に統一感が生まれますし、あえて違う樹種を使って違いを楽しむこともできますね。天然木ならではの香りや経年変化も楽しみのひとつ。調湿効果も期待できます。木のぬくもりが好きな方はぜひ取り入れてみてください!
天然の杉板をアクセントに。漆喰壁とのコントラストが、和の雰囲気を愉しめる仕上がりとなっています。調湿効果があるため、四季を通じて快適に過ごせます。
板張りは、腰壁としても多く取り入れられています。レリーフ加工が施された板を貼ることで、豪華でクラシックな室内空間がつくれますよ!
天井を板張りにすると、高級旅館のような落ち着いた和のテイストに。家に居ながら、自然の中でくつろいでいるような気分になれそうですね。
いかがでしたか?この他にも、アクセントウォールの素材としてタイルやレンガ、黒板塗装などが挙げられます。壁や天井、床などの内装材は、後から変えたいと思っても簡単にはできません。理想のインテリアを実現するために、しっかりこだわって選んでくださいね!
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